PS2なPC完成

2016年2月に完成したDUO-R PC紹介記事の最後にこんな事を書きました。


PCエンジンDUO-R筐体を使っての自作PCはもう2度と作らないと思いますが、

MINI-ITXマザボがまだあるので次はPS2(SCPH-50000NB)を使って作ってみようかと。

これも電源が入らない本体があるので、試しに分解してマザボを配置してみましたが、

DUO-Rよりもマザボがはみ出ました。2cm近くはみ出てたかも…うーん。



あれから1年と約7ヶ月半経ちましたが、PS2 PC完成しました!

ブルーレイ再生、書込可能(もちろんDVDとCDも)、PS2やPSコントローラー直接接続可能(1P側のみ)

 



MINI-ITXだと後方にはみ出てしまうのでどうしたもんかと放置していましたが、

MINI-STXなるマザボがあるのを知り、これを利用して作成しようと思ったのが2016年後半。

ただ、実際に手を付けたのは2017年の8月下旬からでした。色々と忙しかったからね。


基本性能・主な使用パーツは次の通り。詳細は後述にて。


OS:Windows10 Pro

CPU:INTEL Celeron G3930

M/B:ASRock H110M-STX

メモリ:hynix SODIMM DDR4 PC4-2400(DDR4-2133動作) 4GB

SSD:Crucial CT250MX200SSD4(M.2 2280 SATA3 250GB)/2.5インチSSDに変換

ストレージ:パナソニック UJ240AS(BD-R/RE,DVD-R/RW/RAM,CD-R/RW)

無線LAN子機:エレコム WDC-150SU2M

ACアダプタ:日立 PC-AP7800

ケース:SONY Play Station2 SCPH-50000NB



一部パーツの組込前。DUO-R PCと違って、コントローラー接続部分や電源ケーブル接続部分が別パーツになってるので、

加工や作業はしやすかったです。

 

では、各配置パーツ・端子・ボタンスイッチなどの説明です。



まず外観。

先に書いた通り、なるべくPS2の外観を損なわないようにする為、極力切る事はしていません。

内部は色々ぶった切ったりしていますが、外側は殆ど切っていないです。

切ったのはリセットスイッチを取り付ける丸い穴ぐらい。他はネジ穴のみ。

 


外観を損ねないようにするには、元々付いているパーツはそのまま利用!

…ってことで、背面ファンとACインレット、メインスイッチはそのままです。

分解してわかったんですが、PS2の背面ファンはDC7V仕様。これを5Vで動かしています。

電源は当初USBから取っていましたが、メイン電源オンの時は常に通電して回ってしまうので、

BDドライブの電源から配線を分岐して接続しています。


光デジタル出力端子があった場所には、アナログ音声出力端子を設置。

ここもPS2と同じ光デジタル端子に出来るとは思いますが、HDMIで音声出力できるのでアナログ出力にしています。

ステレオミニプラグ-ステレオミニ端子ケーブルを作成し、マザボ上の音声出力端子にそれを挿しこみ、

背面まで持っていって固定しています。


HDMI端子については後程。


 


ACインレットは内部に配置した日立のノートPC用ACアダプタに接続。

容量は19Vで3.42Aなので64.98W…約65Wですね。H110M-STXの説明書にはTDP35WのCPUには90WのACアダプタを使用…

とありましたが、実際はこの容量でも動いています。負荷を掛けても電源が落ちる事はありません(G3930のTDPは51Wです)

まぁ本当なら90Wの電源を使いたい所ですが、内部に設置するにはちょっと窮屈になるので…

ちなみに、TDP65WのCPUまで使用可能だそうなので、やろうと思えばCore i7 7700も使えてしまいます。

その場合は120Wの電源を使わないといけないようですけどね。

(ASRockのH110M-STXのCPUサポートリストにTDP95WのCore i7 7700Kもあるけどどうなんだろう)


ACアダプタを固定している結束バンド(着脱可能)は縦置きにしたときに落ちないようにする為でもあります。


 



正面電源スイッチ部分と側面リセットスイッチ部分。

光り輝く「intel inside」ステッカー!(笑)



電源スイッチもそのまま使用…ですが、動作はPS2と異なります。

PS2は背面の主電源スイッチを入れてこの電源スイッチを押すと起動、もう1度押すとリセット、長押しで電源オフになりますが、

このPCはWindowsを起動する電源スイッチとしてのみ機能します。あと電源ランプ。

リセットスイッチは↑にあるように本体横に設置。間違って押さないようにボタンは飛び出していません。


 


エクスパンションベイ(EXPANSION BAY)部分は見た目はBDドライブ固定ネジが見えるのと、

HDMI、ASRockロゴを貼ったぐらいで特になにもないです。

EXPANSION BAYのふたにある突起物は内部パーツに干渉するので一部削り取っています。

ふたは両面テープで固定。


 



スリムドライブなので、開閉ボタンを押すとピョコッと少し飛び出てそれを手で引っ張りだします。

開閉ボタンはPSマーク右隣にある小さいポッチになっています。

アクセスランプはPSマークの上の方から確認できます。これはスケルトン筐体であるSCPH-50000NBならではですね。


そしてPS2ではCD/DVDトレイ開閉に使うボタンですが、このPCではアクセスランプが点灯するのみになっています。

本当ならPS2と同じようにトレイ開閉に使いたかったのですが、

スリムドライブの開閉スイッチからここのスイッチに配線するのがとても難しく断念。

このスイッチへ接続するべくあれこれやってスリムドライブを2つダメにしたぐらいです。

(当初はDVDドライブを予定していたのですが、この件でBDドライブに変更しています)


じゃあリセットスイッチに…とも思いましたが、間違って押してしまいそうなので却下。

電源スイッチよりも斜めに飛び出していますしね。

電源のLEDはPS2と同じ緑色にしました。


ちなみに、5インチドライブは入るけどもケーブルが接続できないぐらいスペースが無かったので断念。

5インチドライブならPS2の開閉スイッチに結線が簡単だったんですがね。


 


フロントUSB部分。

これは接触不良を起こしていたエレコムの4ポートUSBハブの基板を切ってスペーサーを入れて二段重ねにしています。

そのまま配線してしまうと元の基板パターンと電子パーツのせいでショートや誤作動の原因になるので、

基板上のパーツを削り取り、パターンをカッターでカットしています。

このフロントUSBポートはマザボ上のUSBピンヘッダとD-Sub端子横のUSB端子に接続。

 


本体内部全体画像。


DUO-R PCもそうでしたが、設計図は殆ど脳内(と実際にPS2筐体合わせ)で描いていたので、

パーツ配置は当初予定していたのと違っていますが、この配置が色々とベストと思っています。

当初、ACコネクタやファンの部分をマザボのバックパネルを取り付けるべくザックリ切る予定でしたが、

その配置だと反対側のUSBや音声出力端子などが使用できなくなる、フロントUSB端子が取り付けできない等の理由で却下。

バックパネルを使わない案が出てきたので「どうせならなるべく外観をPS2のままにしよう!」という案に。

マザボを右に左にあれこれ配置してみて、なるべく各入出力端子が使えて、各々干渉しない配置がこの場所になりました。


 


写真左下の緑色の基板は、PSコントローラーをPCで使えるようにするコンバーター基板。

昔買ったPSコンコンバーターですが、今はPCで箱コン使ってるのともう1つ持っているので分解して使用。

元々付いていたPSコン端子からケーブルを切り離し、それをPS2の1P側端子基板にはんだ付け。

USBケーブルが繋がっていた部分にUSBヘッダ端子が付いたケーブルをはんだ付けして、

マザボ上のUSBピンヘッダに接続しています。

PS2コントローラー端子(1P側)→PSコンコンバーターマザボ上USBヘッダ…という順です。


もちろん、PS2側のコントローラー端子とメモリーカード差込口の基板もパターンカットしています。

PS2メモリーカード差込口は今の所なんの動作もしないですが、

メモリーカード差込口基板にUSBケーブルをはんだ付けしてマザボのUSB端子に繋いだあと、

メモリーカードMicroSDカードリーダーを付けて取り外し可能にしようかとも思っていますが、

使い所が微妙なので今の所実装予定はありません。


 


BDドライブはPS2筐体上部分に、高さ調整のスチロールボードに両面テープで固定&アクリルパネルで押さえつけ&金具×2で固定。

スムーズにトレイ開閉できるように調整するのが大変でした。

マザボとの接続はスリムラインSATAケーブル使用(マザボ側がSATA信号と電源が一体型なので普通のとはちょっと違います)


左側は下部分に取り付けた2.5インチHDD(またはSSD)取付用のマウンタ。

左上に固定されているのが先に紹介したフロントUSBポート×2です。

 


H110M-STXにはD-Sub端子HDMI端子、Display Port端子の3系統の映像(音声)出力がありますが、

今回はHDMI端子のみ使用になります。HDMI延長ケーブルを利用して本体背面のAVマルチ端子接続があった場所にHDMI端子を設置。

普通のHDMI延長ケーブルだとケースに干渉するので上向きにケーブルが出る延長ケーブルを使用。


CPUクーラーはCeleron G3930に付属の純正。

入るかどうか気になっていましたが、今の純正クーラーは背が低いので問題無しでした。


ACアダプタの電源プラグはそのままだと延長したHDMI端子が干渉して挿せない為、

メスプラグが付いたケーブルをマザボ基板にはんだ付けし、EXPANSION BAY部分まで延長して接続しています。


 



ACアダプタに隠れていますが、少し見える銀色部分の下にSSDがあります。


このマザボ。M.2端子が付いているのでM.2のSSDが使用可能なんですが、SATA仕様のM.2 SSDは使用できません。

M.2のSSDを使うのは初めてなので、PCIe仕様とSATA仕様のがあるとは知らずにSATA仕様のSSDを買ってしまいましたorz

どうしたもんかと思いましたが、AmazonでM.2 SSDを2.5インチSSDに変換するキットがあったので購入。

これを取り付けています。変換しても速度は公証値とほぼ同じ数値が出ています。

テスト運用時はSATA2の2.5インチHDDを使用していましたが、やっぱりSSDにすると色々速さが違いますね。

Win10の起動がめちゃ速いです。ファイル操作などももちろん速い。

SSDだけの速度ならメインPCより速いっていうねw


M.2 SSDに関しては勉強になりました。自作PCは日々勉強ですね。

PCIe接続のSSDはかなり速いのでいずれは交換したい所です。

M.2にするとACアダプタの下にあるマウンタがいらなくなるので、

マウンタと干渉しているマイク入力端子とUSB3.0 Type-Cポートも使えるようになりますしね。

 


LANポートは使用できますが、内部にあるので容易に着脱はできません。

(LANポートは、PSコンコンバータ基板の下にあります)

なのでネットは無線LAN接続です。音声出力端子隣のUSB3.0端子にエレコム無線LAN子機を接続しています。


無線LANは、マザボ上にM.2端子(Key E)があるのでそこにM.2 Wi-Fi/BTカードを挿し込む事でも使用可能。

そうするとUSB3.0端子が空きますが、空いたからといって特に接続する機器もないな…ってことでUSB子機にしました。

↑で書いたメモリーカード型Micro SDカードリーダーを作るならここを使用しないといけませんけどね。


 


ここからは実際に起動して各ベンチマークやパフォーマンス、動作について。




CPUはINTEL Celeron G3930(Kaby Lake-S)を使いましたが、Pentium G4400(Skylake-S)と迷っていました。

価格差は2000円ぐらいでしたが、Kaby Lake世代のCeleronがどんなもんか気になったのでG3930に。

実際に使ってみると60fps HD動画やブルーレイなどもスムーズで、通常操作ももたつく事なし。

3Dゲーム(後述)は設定次第では動くし、普通に使う分には特に問題ありません。

DUO-R PCよりも快適です。まぁ世代が全然違うので当然ではありますけどもね。


 


CrystalDiskMarkのスコアはCrucial MX200の公証値に近いです。

PCIeのM.2 SSDだとこれが4ケタいくそうで…


 


CINEBENCH 15の結果(黄土色の数値)

左側がCPU、右側がOpenGLですが、どちらの結果もDUO-R PCの約4倍です。

GeForce GT620よりもスコアがいいなんて、INTELの内蔵グラフィックスも進化したもんだなぁ。


 


3D Mark11はDUO-R PC(スコア295)の約3倍に。

とはいえ、ベンチマーク中はほぼガクガクなのは同じですけど。


 


FF14ベンチはデスクトップ標準・1280×720でこの結果に。

色々いじって軽くしたら動くかもですが、画質も解像度も低くなると思うのでFF14プレイは厳しいと思います。


 


FF11は画質などを下げたらHD解像度(1280×720)でも普通にプレイできました。

キャラが多くなると多少フレームレートは落ちますがガクガクとまではいきません。


FF11PS2でサービスが開始され、2016年3月31日にPS2版(とXbox360版)のサービスが終了しています。

今はPC版のみになっていますが、このPCで遊べば雰囲気はPS2でプレイに…なるかも。

ちなみに、解像度をPS2に近い設定にすると高画質にしても普通にプレイできました。


 

ブルーレイも問題なく再生可能。60fpsのHD動画もぬるぬる再生できます。

ブルーレイ見ながら他の操作しても問題ありません。

 


 





同型番のPS2との比較。

PS2 PCはEXPANSION BAY部分にもギッシリパーツが入ってるので後ろ側が全く見えませんね。

リセット穴やネジ、ナットこそありますが、外観は殆ど変っていないです。


重さを量ってみましたが、PS2が約2kgでPS2 PCが1.8kgでした。

HDDだったらもうちょい重かったでしょうね。


 

今回のPS2 PCにかかった金額は約26000円です。元々持っていたパーツ(BDドライブとか)やOSは除いています。

DUO-R PCよりも6000円高くなっていますが、SSDとHDDの差かなと思います。

(マザボはポイント値引きで安く買ってますのでその分含めると11000円の差)

製作期間は約1ヶ月。毎日は触ってなかったですが、本格的に作り始めた時から計算するとそれぐらいです。




DUO-R、PS2とゲーム筐体を使ってPCを作りましたが、これでゲーム機筐体を使った自作PCは最後になると思います。

本来の自作PCパーツを買って放置しているので、今度はそれらを使って自作しなければw


ただ、もし次作るとしたら…PC-FXかな。でも本体持っていないので本体調達からしないといけませんが、

さすがに動く本体を分解してまで作るかっていうと…ね。安いジャンク品があればいいけど。


PS2 PCは色々とパーツの変更が楽しめそうなので、構成が変わったらまた紹介したいと思います。

120WのACアダプタもあるので、Core i7やi5にしてPCIeのM.2 SSDを…


長々と読んで頂きありがとうございます。